ハイスピードカメラ・高速度カメラのIDT

IDTジャパン

自動車安全試験装置

コールドガスシステム

高圧ガスを使い、実インフレータのガス流量を模擬します

コールドガスシステム

コールドガスシステム(Cold Gas System)は、インフレータを使わないエアバッグ展開装置です。圧縮ガス を高精度に制御して、インフレータのガス流量を模擬します。インフレータを使わないので、実験をスピーディに何回でも行うことができ、しかも安価に実験を行えます。また、インフレーターの数倍の繰り返し精度を持っています。

コールドガスシステム図

応用例

  1. システムテスト
    • エアバッグモジュールの開発試験。
  2. インフレータの代替
    • ダッシュボードのカバー、エアバッグクッションの研究開発。
    • エアバッグ布地の折りたたみ研究開発。
    • エアバッグモジュール、ダッシュボードパネル、クッション、折りたたみの不具合の検証および確認試験。
    • インパクタ及びドロップタワー試験。
    • 新規インフレータ開発への最適化実験。
    • 製造工程検査での実インフレータの代替。

主な特長

導入の利点

  1. ガス流量出力の再現性は誤差1%以下。実インフレータよりも再現性が高く、最小の実験回数で求めるデータの取得が可能。
  2. 実インフレータ(試作品および生産品)よりもランニングコストが低い。(1/15~1/75にコストダウン)
  3. ガス出力設定は数分で可能。実験サイクルの短縮化が図れる。
    • プロトタイプのインフレータ使用では、数週間の実験サイクルを余儀なくされる。
    • CGS では迅速に実験を行うことができる。
  4. ダッシュボードメーカーやシートメーカーは通常はエアバッグを購入しなければならないが、 エアバッグを再利用できるCGS は大幅に実験コストの削減ができる。
  5. 新規開発エアバッグの最適なインフレータ設計をCGS にて実験により最適化できる。
  6. 混合ガス(ヘリウム、アルゴン、窒素)の使用により多様なガス流量速度設定が可能。
  7. 実インフレータの出力のバラツキをCGS で模擬することができ、エアバッグモジュールの最適化を図ることが可能。
カーテンエアバッグの試験風景

カーテンエアバッグの展開状況をコールド ガスによって模擬、再現します。 展開試験には、状況を把握するためセンサや 高速度カメラが使用されます。

カーテンエアバッグの試験風景
CGSの吐出ガスの流量特性曲線

オリフィス径が大きいほどまたガスが軽いほど(ヘリウム)ガスの流量速度が速くなり、エアバッグの展開速度が速くなります。

CGSの吐出ガスの流量特性曲線
実インフレーターとCGSの圧力特製キャリブレーション

実インフレーターと同等のガス吐出性能を検証するために、検定用のタンクを用いてCGSからのガスの吐出圧力を測定します。検定用のタンクは、タンク容積がよくわかり圧力センサーの取り付けができる構造のものを使います。この検定タンクに実インフレーターを入れて実際の圧力測定を行い、インフレーターの圧力曲線に近づけたCGSの特性を合わせこみます。

実インフレーターとCGSの圧力特製キャリブレーション

コールドガスシステムの仕様

項目 概要 備考
使用ガス量 0.5~8.0モル 使用されるエアバッグの容量に応じてタンク容量を選択します。
主チャージタンクサイズ 0.25L  
予備チャージタンクサイズ 0.25L, 0.5L, 0.75L チャージタンクの総合容量とガスの充填圧力で使用ガス量が決まります。
使用ガス ヘリウム, 窒素 ヘリウムは高速吐出が可能です。ヘリウムは窒素に比べ高価です。
ガス圧力 5 ~ 20MPa 供給を受ける圧縮ガスの圧力です。エアバッグの展開速度に応じて圧縮ガス圧は変わります。
ガス出力径 φ25mm  
オリフィス径 最大20mm ガスの吐出経は可変で、φ2mmから最大φ20mmまでセットすることができます。 ガスの流量はオリフィス径で決まります。ガス流量を低くしたい場合はオリフィス径を小さくします。
バルブ応答(開) 全開まで2ミリ秒以下 トリガ信号が入って、1/500秒以内にガスの吐出が全開になります。
バルブ応答(閉) 全閉まで30秒以下 トリガ信号が入って、30秒後にバルブが通常の位置(全閉)に戻ります。
動作環境 室温  
ホース径 最大1-1/4インチ  
ユーティリティ 電源 AC100V, 50/60Hz, 5A
コンプレッサ 10kg/cm2
圧縮ガス ヘリウム及び窒素150kg/cm2, 7m3
CGSガス吐出機構部と操作パネル

コールドガスシステムの操作は操作パネルで行います。この操作パネルでは、操作に必要なガス圧などを管理し、操作ボタン(もしくはトリガ信号)によって 高速応答バルブが開閉し、ガスがエアバッグに ガスを供給してエアバッグを展開させます。 制御器バルブ制御回路: 高圧・高速バブルの開閉には、圧縮空気の他に、制御器に内蔵された高電圧(2kV)大 電流100A、50ms の駆動回路によって、高速バルブを高速で開閉させています。制御バ ルブ回路は、通常の商用電源(AC100V、 50/60Hz、約2A)から必要電源を作るため、特別な電源を必要としません。

CGSガス吐出機構部 操作パネル

CONTACT

電話(平日9時00~18時00)・ファックス・メールにてお気軽にお問い合わせください