高圧ガスを使い、実インフレータのガス流量を模擬します
コールドガスシステム(Cold Gas System)は、インフレータを使わないエアバッグ展開装置です。圧縮ガス を高精度に制御して、インフレータのガス流量を模擬します。インフレータを使わないので、実験をスピーディに何回でも行うことができ、しかも安価に実験を行えます。また、インフレーターの数倍の繰り返し精度を持っています。
カーテンエアバッグの展開状況をコールド ガスによって模擬、再現します。 展開試験には、状況を把握するためセンサや 高速度カメラが使用されます。
オリフィス径が大きいほどまたガスが軽いほど(ヘリウム)ガスの流量速度が速くなり、エアバッグの展開速度が速くなります。
実インフレーターと同等のガス吐出性能を検証するために、検定用のタンクを用いてCGSからのガスの吐出圧力を測定します。検定用のタンクは、タンク容積がよくわかり圧力センサーの取り付けができる構造のものを使います。この検定タンクに実インフレーターを入れて実際の圧力測定を行い、インフレーターの圧力曲線に近づけたCGSの特性を合わせこみます。
項目 | 概要 | 備考 |
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使用ガス量 | 0.5~8.0モル | 使用されるエアバッグの容量に応じてタンク容量を選択します。 |
主チャージタンクサイズ | 0.25L | |
予備チャージタンクサイズ | 0.25L, 0.5L, 0.75L | チャージタンクの総合容量とガスの充填圧力で使用ガス量が決まります。 |
使用ガス | ヘリウム, 窒素 | ヘリウムは高速吐出が可能です。ヘリウムは窒素に比べ高価です。 |
ガス圧力 | 5 ~ 20MPa | 供給を受ける圧縮ガスの圧力です。エアバッグの展開速度に応じて圧縮ガス圧は変わります。 |
ガス出力径 | φ25mm | |
オリフィス径 | 最大20mm | ガスの吐出経は可変で、φ2mmから最大φ20mmまでセットすることができます。 ガスの流量はオリフィス径で決まります。ガス流量を低くしたい場合はオリフィス径を小さくします。 |
バルブ応答(開) | 全開まで2ミリ秒以下 | トリガ信号が入って、1/500秒以内にガスの吐出が全開になります。 |
バルブ応答(閉) | 全閉まで30秒以下 | トリガ信号が入って、30秒後にバルブが通常の位置(全閉)に戻ります。 |
動作環境 | 室温 | |
ホース径 | 最大1-1/4インチ | |
ユーティリティ | 電源 | AC100V, 50/60Hz, 5A |
コンプレッサ | 10kg/cm2 | |
圧縮ガス | ヘリウム及び窒素150kg/cm2, 7m3 |
コールドガスシステムの操作は操作パネルで行います。この操作パネルでは、操作に必要なガス圧などを管理し、操作ボタン(もしくはトリガ信号)によって 高速応答バルブが開閉し、ガスがエアバッグに ガスを供給してエアバッグを展開させます。 制御器バルブ制御回路: 高圧・高速バブルの開閉には、圧縮空気の他に、制御器に内蔵された高電圧(2kV)大 電流100A、50ms の駆動回路によって、高速バルブを高速で開閉させています。制御バ ルブ回路は、通常の商用電源(AC100V、 50/60Hz、約2A)から必要電源を作るため、特別な電源を必要としません。